How government policies will drive South Korea’s robotic surgery market

政府の施策が韓国の手術ロボット市場に及ぼす影響


韓国では、医療産業における長期的成長の牽引役として、デジタル技術の重要性が高まっている。パンデミック後に発表された韓国版『ニューディール』構想では、2025年までの経済開発関連費として1300億ドルを超える予算が盛り込まれた。重点医療分野でのロボティクス活用といったデジタル医療の推進策を含む『デジタル・ニューディール』も、その一環として重視されている。

同国政府は医療分野へのロボティクス導入を長年進めており、『デジタル・ニューディール』 によってこの流れが加速し、革新的医療テクノロジーや先進外科治療の普及につながる可能性は高い。

政府の施策が韓国の手術ロボット市場へ及ぼす影響

ロボティクスとその関連分野への投資は、韓国の手術ロボット市場を牽引する見込みだ。同国政府は、2008年以降に『知能ロボット開発・普及推進法』の下で推進された第1次・2次計画を通じて、技術・法・体制面の環境整備を進めてきた。2019〜2023年を対象とした第3次基本計画には、医療など様々な産業における先進ロボット1500台の開発費用として1000億ドル超の予算が盛り込まれている。

また革新的医療機器に対する規制面での支援策は、手術ロボット・テクノロジーを含む医療技術の導入・普及を後押しする見込みだ。2020年には革新的医療機器の市場化加速を目的とした『医療機器産業法』が成立し、最先端技術における許認可プロセスのスピード化に向けた優遇策・支援が提供されている。国内メーカーMeerecompanyが開発した腹腔鏡手術ロボットは、同施策の初の対象となった。

先進テクノロジーのメリットを享受する医療機関も既に現れている。例えば国内のある整形外科医院グループでは、手術ロボットを利用した人工膝関節置換術[TKA]を選択する患者が、導入後わずか1年間で80%まで増加した。

韓国における手術ロボット市場の展望

整形外科をはじめとする分野では、既にロボット手術の認知と普及が進んでおり、競争力維持に向けて先進技術・機器を導入する医療機関・外科医は今後も増加する見込みだ。

政府が手術ロボットの導入加速に向けた医療インフラ強化を後押しする中、医療機器メーカーが資金調達・研修など手術ロボット技術の様々な領域で医療機関との連携を図る機会は今後も拡大する可能性が高い。